米長期金利上昇は一服もドル円は力強く上昇

先週の対ドル通貨騰落率

※世界の通貨強弱を可視化し、現在の「相場のテーマ」の推測に役立てています

先週は「ドル高相場」でした。特に、トルコや南アフリカなど日本でなじみの高金利通貨、インド・ブラジルなどの新興国から資金が逃避しました。またスーダンとエチオピアの国境紛争により北アフリカ周辺通貨も下落。一方で中国の人民元は比較的安定して推移しました。

 

先週の主な出来事

21日:ミャンマーの第2の都市マンダレーで、国軍のクーデターに反対する抗議デモの参加者に治安部隊が発砲し、2人が死亡。

イスラエル保健省は、米製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを全2回接種することで、発症を予防する効果が95.8%あったとの調査結果を発表。世界最速のペースで新型コロナウイルスワクチンの接種が進むイスラエルは、昨年12月からのロックダウン(都市封鎖)を緩和、商業施設などが再開した。政府は接種を完了した人に新たな証明を発行し、一部施設への入場には提示を求める。

23日:米株式市場でハイテク株を中心に構成されるナスダック総合指数が一時3.9%安と急落。昨年終盤から株高が続いてきたが、最近の長期金利の上昇を機に将来の収益拡大に慎重な見方も出始めた。

24日:政府が可決した東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)協定案はいまの通常国会で承認される見込みで、早ければ2021年末にも発効する可能性。

政府は、65歳以上の高齢者への新型コロナウイルスワクチンの接種を4月12日に始めると発表。限定的に始め、徐々に規模を拡大する。全市町村にワクチンを配送するのは4月26日の週になる。

中国人民銀行がデジタル通貨研究プロジェクトを開始。中国本土・香港・タイ・UAEの4中銀が共同でデジタル通貨に関する研究を開始する。香港イノベーション・センターが研究をサポートする。

米フェイスブックは、クーデターを起こしたミャンマー国軍によるサービスの利用を禁止したと発表。

25日:オーストラリア連邦議会は、IT(情報技術)大手がネットサービス上で表示するニュース記事について、報道機関に利用料の支払いを義務付ける法案を賛成多数で可決。

26日:国内債券市場で長期金利が上昇(債券価格は下落)。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、一時0.175%をつけた。

政府は新型コロナウイルス対策で10都府県に発令している緊急事態宣言について、首都圏を除く6府県を28日で解除すると決めた。対象地域は飲食店の営業時間短縮などの感染防止対策を段階的に緩和する。首都圏1都3県は新規感染者数の減少が鈍く、宣言の期限である3月7日で解除できるか慎重に見極める。28日をもって先行解除するのは関西圏の大阪、兵庫、京都、中部圏の愛知、岐阜と福岡の計6府県。

オランダ議会は中国での少数民族ウイグル族の状況について「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定する動議を可決した。カナダ下院も22日に同様の動議を可決したが、欧州ではオランダが初めてとなる。

ブラジルのサンパウロ州にあるブタンタン研究所は、同国由来の新型コロナウイルスの変異ウイルスについて、感染率が従来型のウイルスより30~50%高いとの見方を示した。世界的に感染拡大のペースが落ち着く中、ブラジルでは感染拡大が続いており、変異ウイルスの存在が指摘されていた。

27日:民主党の議会指導部は、下院で1.9兆ドル(約200兆円)の追加の新型コロナウイルス対策法案を審議し、同党単独で可決した。

 

先週のドル円相場レンジ(変動範囲)

始値:105.43
安値:104.92
高値:106.69
先週末の終値:106.56

 

先週のドル円相場サマリー

ドル円相場は、週明け105.43からスタート。週初はドル売りが優勢となる中、ドル円は先々週の安値と同水準の104.92まで下落。しかしこのレベルでは大きな買い注文があるのか、跳ね返される展開に。その後、米景気回復、インフレ期待が高まる中で、米10年債利回りが上昇し、ドル円も上昇。105、106円を軽々と突破し、木曜日に106.69の今週高値をつけました。週末は高値近辺で迎え、結局106.56でクローズ。ドル買いが進む中で、ドル円はさらなる上値を試す展開が続いています。

 

2020―2021年のドル円の安値・高値(目安レンジ)

安値:101.18
高値:112.22

 

テクニカル分析指標

移動平均13週:104.36
移動平均26週:104.64
移動平均52週:105.94
RSI14週:60.52

※Relative Strength Indexは50が基準、70より上は買われすぎ、30より下は売られすぎ

 

主な経済指標と政治イベントの予定

今週

2日:米製造業ISM
2日:東南アジア諸国連合(ASEAN)経済相会合(オンライン、3日まで)
4日:中国全国政治協商会議が開幕
4日:米地区連銀報告
5日:全人代
5日:米2月雇用統計

 

来週以降

3月16日―17日:FOMC
3月18日―19日:日銀金融政策決定会合
4月26日―27日:日銀金融政策決定会合
4月27日―28日:FOMC
5月25-28日:特別年次総会 シンガポール開催
6月11-13日:主要7カ国首脳会議(G7サミット) 英南西部コーンウォール開催
6月15日―16日:FOMC
6月17日―18日:日銀金融政策決定会合
7月15日―16日:日銀金融政策決定会合
7月27日―28日:FOM
8月:ジャクソンホール会議
9月21日―22日:日銀金融政策決定会合
9月21日―22日:FOMC
10月27日―28日:日銀金融政策決定会合
11月2日―3日:FOMC
12月14日―15日:FOMC
12月16日―17日:日銀金融政策決定会合

 

今週の相場に向けて

先週のドル円相場は、先々週に続いて104.92で跳ね返され、米長期金利が上昇する中で、結局106.69まで上昇。その後も高値圏での推移が続き、106.56でクローズしました。

ワクチンが行き届く未来が見え、原油などエネルギー価格も上昇してきていることから、景気回復、物価の上昇が意識され、結果として、米国の早期の利上げ観測やテーパリング(早期の金融緩和縮小)が意識される展開が続いています。

先週に引き続いてのコメントになりますが、米金利とドル円の相関係数はファクトとして実はそこまで高くありません。しかし米金利が上昇すれば、ドル買いのインセンティブが多少なりとも働くことを考えると、ドル安をイメージしづらい状況でもあります。

テクニカルでみても13週、26週、についで53週の移動平均をクリアに上抜けてきました。そのためドル円の引き続き底堅い上昇を想定しています。

 

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戸田 裕大

若竹コンサルティング 創業者