早くもテーパリングが意識されている金融市場 2021/01/31

先週の主な出来事

25日:加藤勝信官房長官は記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの供給スケジュールについて「2021年前半までに全国民に供給できる数量の確保をめざす」と説明した。「必要な数量の確保に向けて全力をあげる」とも強調した。

香港政府は、独ビオンテックが開発した新型コロナウイルスのワクチンを承認した。当初、承認の第1号になるとみられていた中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製のワクチンは十分なデータが得られず、別のワクチンを探すべきだとの声が出ている。

イラクが国際通貨基金(IMF)に緊急支援を要請した。計60億ドル(約6200億円)の融資で、原油安と新型コロナウイルスの感染拡大で逼迫する財政の立て直しを目指す。経済の苦境が深まる中、政府は6月に予定していた総選挙を10月10日に延期すると表明した。

26日:インドネシア政府は、新型コロナウイルスの感染者が前日に比べ1万3094人増え、累計で101万2350人に達したと発表した。死者は2万8468人で、いずれも東南アジアの国別で最も多い。

27日:世界の新型コロナウイルスの感染者数が、累計で1億人を超えた。2019年末に中国・武漢でウイルスが確認されてから1年あまりで、世界の人口の約1.3%が感染した。ウイルスは世界中に広がる間に各地でさまざまに変化し、最近では英国などで変異種の存在が相次ぎ明らかになっている。

28日:中国財政省は、2020年の税収が前年比2.3%減の15兆4310億元(約246兆円)だったと発表した。文化大革命の最終年で社会が混乱していた1976年以来、44年ぶりに前年実績を下回った。新型コロナウイルス対応で減税したほか、経済成長が鈍った影響が出た。

29日:新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を巡り、東京都などで2月7日までの期限の延長が避けられない情勢となった。政府は来週中に基本的対処方針等諮問委員会を開く。専門家による感染状況の分析を踏まえ、具体的な延長幅や対象地域などを決める。

香港政府は、2020年の実質域内総生産(GDP)速報値が前年比6.1%減少したと発表した。通年のマイナス成長は19年に続く2年連続。成長率は統計で遡れる1962年以降で最悪だった。

自民党外交部会は2月上旬にも人権外交プロジェクトチーム(PT)を立ち上げる。中国によるウイグル族の弾圧や香港、チベット問題などを協議する。6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)までに考え方を集約する。座長は鈴木憲和外交部会長代理が務める。

31日:英国が2月1日に日本を含む11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟申請を行う

新型コロナウイルスの発生源を調べるため、中国湖北省武漢市に派遣された世界保健機関(WHO)の国際調査団は31日、最初に集団感染が発覚した「華南海鮮卸売市場」を視察した。焦点だった現場の調査を中国側がようやく認めた。

ベトナム共産党の第13回大会は、序列1位で同国の最高指導者である書記長に現職のグエン・フー・チョン書記長(76)の留任を決めた。党規約は書記長任期を「連続2期10年」に制限するが特例を認めたもよう。

 

先週の相場動向

ドル円相場は、週明け103.79からスタート。週初は大きな材料がない中でドル円は小幅に上下する展開となった。しかし、27日の夜間からドル高・株売りの流れが強まると、ドル円は上昇、底堅い展開が続き、ドル円は一時104.94を付ける。その後も底堅い展開が続いたドル円は、104.69でクローズ。綺麗に13週の移動平均を上抜け、26週の移動平均とほぼ同水準で週末を迎えた。

 

先週のドル円相場

始値:103.79

安値:103.56

高値:104.94

先週末の終値:104.69

 

2020―2021年のドル円:安値・高値

安値:101.18

高値:112.22

 

テクニカル分析

移動平均13週:103.87

移動平均26週:104.70

移動平均52週:106.26

RSI14週:49.26

※Relative Strength Indexは50が基準、70より上は買われすぎ、30より下は売られすぎ

 

今後の重要な政治スケジュール

2日:ユーロ圏第4QのGDP

5日:米1月雇用統計

5月25-28日:特別年次総会 シンガポール開催

6月11-13日:主要7カ国首脳会議(G7サミット) 英南西部コーンウォール開催

8月:ジャクソンホール会議

 

来週の相場に向けて

先週のドル円相場は、週初こそもみ合いとなったものの、週末にかけてはドル買いの動きが強まり、ドル円は上昇。いよいよ、長期間つづいているドル安円高の一方向の動きに変化の兆しがみられた一週間となった。

テクニカルでみれば13週(3ヵ月)の移動平均を綺麗に上抜けたことで、相場に反転の兆しがみられたと言える。背景には米景気回復の兆しが経済指標に如実に表れていること(好調な米製造業PMIなど)が挙げられる。世間ではコロナウイルスへの対応が意識されているが、金融市場はコロナワクチンが行き届いた新しい世界を想定し、むしろ高成長、金融緩和の縮小(株安)を織り込み始めているようにもみえる。ドル高・株安から想起される金融市場、それはテーパリング(金融緩和の早期縮小)である。ドル円がクリアにテクニカルを上抜けてきたことを加味し、今週もドル円は底堅い動きを想定する。

 

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戸田 裕大

若竹コンサルティング 創業者