過去最高を記録した米製造業PMIを受け底堅いドル円 2021/01/24

先週の主な出来事

17日:ブラジルの薬事当局である国家衛生監督庁(ANVISA)は、中国の製薬会社、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)と英アストラゼネカが開発した新型コロナウイルスのワクチン2種類について、緊急利用を認めると発表。これを受け、サンパウロ州ではワクチンの接種が始まった。

18日:菅首相が施政方針演説を行い、「コロナ下、国民の命と健康、暮らしと雇用を守ることを最優先」の方針を表明。

金融情報サービス会社のQUICK(東京・中央)は18日、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の後継指標を算出・公表するための新会社「QUICKベンチマークス」を設立。

19日:ポンペオ米国務長官は19日、中国による新疆ウイグル自治区における少数民族ウイグル族らへの弾圧を国際法上の犯罪となる「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定すると発表。

20日:バイデン米大統領は20日、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に復帰する大統領令に署名した。カナダからメキシコ湾まで原油を運ぶパイプラインの拡張計画の許可も取り消す。世界保健機関(WHO)脱退も取りやめるなど国際協調を打ち出し、トランプ前政権からの政策転換を印象づける。

次期米財務長官候補のジャネット・イエレン前米連邦準備理事会(FRB)議長は、為替レートについて、市場によって決められるべきだが、米国は競争を有利にするために弱いドルを求めることはないと表明。

21日:日銀は金融政策決定会合で、新型コロナウイルスに対応した大規模な金融緩和策の現状維持を決めた。企業の資金繰り支援や金融市場の安定に向けた施策を続け、コロナ下の国内経済を下支えする。政府の緊急事態宣言の再発令で景気に下押し圧力がかかるなか、2020年度の実質成長率見通しはマイナス5.6%と小幅に下方修正。

22日:日本政府は新型コロナウイルス対策を強化するため新型インフルエンザ対策特別措置法と感染症法、検疫法の改正案を閣議決定した。営業時間短縮や休業の要請に従わない飲食店などに命令を出せるようにし、違反した場合の罰則を設ける。入院を拒否した新型コロナ患者への刑事罰も導入する。

サキ米大統領報道官は、前政権が離脱した環太平洋経済連携協定(TPP)について「バイデン大統領は完全ではないと考えている」と述べ、復帰を検討する場合は再交渉が前提になるとの見方を改めて示した。

米民主党上院トップのシューマー院内総務は22日、トランプ大統領に対する弾劾裁判を「2月8日の週」に始めると明らかにした。

調査会社IHSマークイットが22日発表した1月の製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)は、前月比2ポイント上昇の59.1となり、算出の始まった2007年5月以降で過去最高を記録

世界保健機関(WHO)は22日、新型コロナウイルスのワクチンを共同購入する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」で米ファイザーからワクチン4千万回分を調達する合意に達したと発表した。低中所得の国への接種を2月末までに始められる見通しになったとしている。

 

先週の相場動向

ドル円相場は、週明け103.74からスタート。週初は上値を試す展開となり、ドル円は一時104.08まで上昇。13週の移動平均より上の104円台で定着するかどうか意識されたが、徐々に売りが優勢となるとドル円は104円を割り込む展開に。20日に次期米財務長官候補のジャネット・イエレン前米連邦準備理事会(FRB)議長が「弱いドルを求めない」と発言をしたが、それによる市場のドル買いは限定的で、その後もじりじりと値を下げる展開になると、21日深夜には103.33の先週安値を付ける。週末にかけては米製造業購買担当者のセンチメントを図るマークイットPMIが発表され、過去最高を記録すると、米景気回復を見込んで、米金利が上昇、つれてドル円も上昇し、103.81まで値を戻したのち、103.75でクローズ。

 

先週のドル円相場

始値:103.74

安値:103.33

高値:104.08

先週末の終値:103.75

 

2020―2021年のドル円:安値・高値

安値:101.18

高値:112.22

 

テクニカル分析

移動平均13週:103.87

移動平均26週:104.74

移動平均52週:106.33

RSI14週:42.25

※Relative Strength Indexは50が基準、70より上は買われすぎ、30より下は売られすぎ

 

今後の重要な政治スケジュール

25日:日銀金融政策決定会合議事録公表

25-29日:ダボス・アジェンダ

25-2日:ベトナム共産党大会

26日:日銀金融政策決定会合の議事要旨(20年12月17~18日分)

26-27日:FOMC(27日、パウエルFRB議長会見)

28日:10~12月期の米GDP速報値

5月25-28日:特別年次総会 シンガポール開催

6月11-13日:主要7カ国首脳会議(G7サミット) 英南西部コーンウォール開催

 

来週の相場に向けて

先週のドル円相場は米金利が上昇する中で、一段上を目指す展開になるかどうかに注目が集まりましたが、結果として上値は重く、104円台に乗せきれずに週末を迎えました。しかし、米製造業購買担当者マークイットPMIが過去最高を記録するなど米景気回復が意識され、米株式市場は好調に推移しており、リスクオンの地合いは強まっていると言えます。

ドル円は、テクニカルでみれば引き続き13週(3ヵ月)、26週(半年)、52週(1年)の移動平均よりも下の水準で推移が続いており、下落トレンドからは脱し切れていません。しかし週末のドル円の動きをみると、底堅く、徐々に反発の動きが強まっているようにもみえます。したがって、来週は104円台が定着する可能性をメインシナリオとし、長く続いているドル円下落トレンド、その相場の反転の兆しがみられる週になると予想します。

 

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戸田 裕大

若竹コンサルティング 創業者