先週の主な出来事
4日:米国議会が再開。英国では1日の新規感染者数が最多を更新。
5日:米国で、経済対策や新型コロナウイルスのワクチン接種の進展により、需要が回復するとの見方が強まり、物価連動債から逆算した予想物価上昇率が、2年2カ月ぶりに2%超に。ただ足元では、米国のコロナ入院者数が最多を更新。英国でも、英アストラゼネカ製のワクチン接種が始まるも、変異種感染者増加が止まらず、英国ジョンソン首相が首都ロンドンのあるイングランドで3度目のロックダウン(都市封鎖)に入ることを発表。
6日:米製造業景況感指数が2年4カ月ぶりの高水準となり、製造業の回復が示された。EUでは、2例目となる米モデルナ製ワクチンの承認が勧告された。他方で、世界銀行は、2021年の世界経済の成長率は2019年に及ばない4.0%と予測を下方修正。ドイツのメルケル首相が、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための規制を再び強化すると発表。香港では、民主派50人超が香港国家安全維持法違反の容疑で一斉逮捕された。
7日:米商務省が発表した11月の米製造業新規受注額(季節調整済み)は、7カ月連続のプラスとなり、製造業の回復持続が示された。米連邦準備理事会(FRB)は2020年12月に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表し、米国債などを大量に買い入れる量的緩和の長期維持の指針について、参加者全員が一致。米国議会選挙では、南部ジョージア州の2議席を争った決選投票で民主党の2勝が確実になり、民主が大統領選の勝利に加えて上下両院で多数派を確保する「トリプルブルー」となった。米議会は、トランプ支持者が大量に議会に侵入し、議会が一時中断、死傷者も出るなど混乱を極めたが、上下両院合同会議で民主党のジョー・バイデン前副大統領(78)の次期大統領選出を確定した。日本では、菅義偉首相が1都3県に緊急事態宣言の発令を決定(期間は1/8~2/7)。
8日:トランプ大統領が政権移行を承認。米労働省が発表した失業保険統計(季節調整済み)は3週連続の減少で、11月末以来の低水準となった。英国では、米バイオ製薬モデルナが開発した新型コロナウイルスのワクチンが新たに承認された。
9日:英国では、一日のコロナ死者数が最多を更新。米国でも変異種が8州で確認。米労働省が発表した2020年12月の雇用統計(速報値、季節調整済み)は、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が前月比14万人減少し、労働市場改善の鈍化が示された。バイデン次期米大統領は、現金給付の拡大や地方政府への支援など「数兆ドル規模になる」とされる追加経済対策を14日に公表すると明らかにした。米株式市場では、主要3指数(ダウ工業株30種、ナスダック総合指数、S&P総合500種)が最高値を更新。米債券市場では、長期金利の指標である10年物国債の利回りが一時、前日より0.05%高い1.12%に上昇した。
先週の相場動向
ドル円相場は、週空け103.21からスタート。週初は、昨年の流れを引き継ぎドル売り円買いの流れが継続、一時10ヵ月ぶりの安値となる102.60まで下落した。しかし、その後は、米ジョージア州の上院決選投票にてトリプルブルー(大統領、上院、下院が民主党)の確率が上昇したこと、連邦公開市場委員会(FOMC)の12月の議事録が公表され、長期金融緩和の継続方針が示されたこと等から、株式市場では景気拡大を予測した株高情勢となり、主要3指数(ダウ工業株30種、ナスダック総合指数、S&P総合500種)が最高値を更新。米ねじれ議会の解消に、米金利が急上昇し1.1%を超える水準となると、為替市場では日米金利差が意識され、ドル買い円売りの流れが加速、ドル円は一時104.09まで上昇。安値102.60から高値104.09と振れ幅の大きい1週間であった。週末は103.96でクローズ。
先週のドル円相場
始値:103.21
安値:102.60
高値:104.09
先週末の終値:103.96
2020―2021年のドル円:安値・高値
安値:101.18
高値:112.22
テクニカル分析
移動平均13週:104.05
移動平均26週:104.95
移動平均52週:106.56
RSI14週:43.20(大分と戻してます)
※Relative Strength Indexは50が基準、70より上は買われすぎ、30より下は売られすぎ
今後の重要な政治スケジュール
20日 :米国次期大統領就任式
来週の相場に向けて
先週のドル円相場は、昨年の流れを引き継ぎ102.60まで下落する局面もありましたが、その後、トリプルブルー(大統領、上院、下院が民主党)の可能性が高まると、将来の景気回復が意識され、米金利が急上昇し1.1%を超える水準となり、日米金利差が意識されドル買い円売りの流れが加速、一時104.09の高値をつけました。
ドル円は、移動平均でみれば、引き続き下落基調が続いている状況ですが、米議会が「トリプルブルー」に転じたことで、来週も米株高・米長期金利上昇のリスクオン相場が続く可能性があり、外国為替市場では米長期金利上昇に伴うドル高が継続する可能性あります。105円を上抜ければ、中期トレンドも上昇に転じることから、売買が拮抗する時間帯になるものと想定しています。
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