英国の新型コロナとFTA協議に振り回されたクリスマス 2020/12/27

先週の主な出来事

21日:米議会の与野党指導部は9000億ドル(約93兆円)規模の追加の新型コロナウイルス対策を発動することで最終合意。(米国経済活動正常化への期待)

一方、欧州では、英国が新型コロナウイルスの変異種の感染拡大を受けて首都ロンドンの外出規制を強化すると発表。3回目のロックダウン(都市封鎖)となり、欧州各国を中心に、英からの渡航を制限する動き。(コロナによる欧州経済活動への懸念)

22日:英国以外の欧州各国でも新型コロナウイルスの変異種確認。一方、欧州連合(EU)で医薬品を審査する欧州医薬品庁(EMA)は、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発する新型コロナウイルスのワクチンの承認を勧告、欧州委員会の承認手続きを経て27日に接種が始まる見通し。(欧州経済活動正常化への期待)

米商務省は、航空宇宙分野などの中国企業58社とロシア企業45社の計103社を軍事関連企業に指定したと発表。米国製部品を対象企業に輸出する場合は許可制として輸出規制を強化する方針。(米中貿易摩擦が激化)

23日:米国で新型コロナウイルスによる入院者数が21日時点で11万5000人超と、過去最多を更新。

24日:英国で、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大が開発する新型コロナウイルスのワクチンについて、承認に必要な全てのデータが当局に提出されたことを明らかに。クリスマス後に英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が同ワクチンを緊急承認する可能性あり。(英国経済活動正常化への期待)

また、英国と欧州連合(EU)は、新たな自由貿易協定(FTA)など将来関係を巡る交渉で合意した。ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長がそれぞれ表明。英・EU間の関税ゼロでの貿易が維持される可能性が極めて高くなった。(英国経済活動正常化への期待)

 

先週の相場動向

ドル円相場は、週明け103.49からスタートし、週明け早々103.25まで下落。その後、英国で新型コロナウイルス変異種の感染拡大に伴う警戒感の高まり、それに伴うリスク回避としての英ポンド売りドル買い圧力から、ドル円も上昇基調となり、一時103.89まで上昇。米国では、米議会与野党指導部により9000億ドル(約93兆円)規模の追加経済対策の最終合意がなされたものの、トランプ大統領が修正要求、現行案の署名拒否を表明。協議が継続されていた英国と欧州連合EUの自由貿易協定(FTA)では、関税ゼロでの貿易が維持される前提で交渉合意が発表され、主要経済国の経済回復へのプラスマイナス要因が交差し、クリスマス休暇入りで市場参加者も乏しく、週を通して方向感に欠ける展開が継続して小幅な値動きとなり、103.50でクローズ。

 

先週のドル円相場

始値:103.49

安値:103.25

高値:103.89

先週末の終値:103.50

 

2020年のドル円相場

安値:101.18

高値:112.22

 

テクニカル分析

移動平均13週:104.35

移動平均26週:105.23

移動平均52週:106.76

RSI14週:38.92

※Relative Strength Indexは50が基準、70より上は買われすぎ、30より下は売られすぎ

一目均衡表(日足=短期):雲の下を這うように、最も強い売りシグナル、三役逆転を示唆

 

今後の重要な政治スケジュール

26日   :中国全国人民代表大会常務委員会閉幕(北京)

28日   :日銀、12月17、18日の金融政策決定会合の「主な意見」発表

30日   :東証、大納会(市場最終日)

31日   :EU離脱移行期間終了

:日銀、10/28~29の金融政策決定会合議事要旨発表

28日   :日銀、12/17~18の金融政策決定会合の「主な意見」発表

 

来週の相場に向けて

先週のドル円相場は、英国で新型コロナウイルス変異種の感染拡大に伴う警戒感の高まり、それに伴うリスク回避としての英ポンド売り・ドル買い圧力から、ドル円は上昇基調となり、一時103.89まで上昇するも、週末にかけて103.50前後まで反落しました。テクニカル分析としては、引き続き、強い売りシグナル(一目均衡表三役逆転、移動平均線のパーフェクトオーダー)を示しております。ファンダメンタルズとしても、米国で新型コロナウイルスによる入院者数が過去最多を更新し、依然として経済回復までの時間がかかること、米金融緩和の長期化(米国債利回り低下)が予測されており、ドル売り要因が多いように見受けられます。来週は年末年始を挟み、流動性低下の隙をついた急変(フラッシュクラッシュ)発生には警戒が必要であるものの、基本的にはドル安円高の方向を想定しています。

 

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戸田 裕大

若竹コンサルティング 創業者