アメリカの量的質的緩和の長期継続が示されドル安進行 2020/12/20

先週の主な出来事

15日:英国とEUとのFTA交渉は、将来関係をめぐる協議継続で合意したと伝えられた。米製薬大手ファイザー製ワクチンの接種がスタート。選挙人投票の結果、バイデン氏が過半数を正式獲得し、次期大統領に確定。一方、米国上院選ジョージア州で、バイデン次期政策運営を左右する上院選の2議席決選投票がスタート。

16日:米国食品医薬品局(FDA)は15日、米バイオ製薬モデルナの新型コロナウイルスワクチンの分析結果、緊急使用を承認する見通しに。一方で、7日移動平均で見た死者数は2,491人で過去最多を更新、全米の新規感染者数は21万2200人と高止まりしており、累計感染者数は1,672万人。

17日:米連邦準備理事会(FRB)パウエル議長は、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米国債などを大量に買い入れる量的緩和の指針を強化して「米国債などの購入を、完全雇用と物価安定に近づくまで継続する」と表明。また、追加経済対策について、米議会指導部は、9,000億㌦(約93兆円)規模の追加の新型コロナウイルス対策の発動へ大詰めの協議に入り、合意の可能性に言及。(米国景気回復への期待)。17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は過去最高値(3万0218ドル)を付けた。

18日:米労働省が17日発表した失業保険統計(季節調整済み)で、前週の新規申請数は2週連続の増加となり、9月上旬以来の高水準。日本では、ファイザーが、開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンを厚生労働省に承認申請。国内での実用化に向けた承認申請は初。米連邦準備理事会(FRB)が資産購入を長く続けるとの期待が強まる一方で、実質金利が低下、物価に上昇圧力がかかるとの見方が増えドル安が進んだ。

 

先週の相場動向

ドル円相場は、週明け104.08からスタート。ファイザーのワクチン接種が始まり、モデルナのワクチンも承認見通しとなる中、ドル円は一時104.15まで上昇。しかし水曜日にFRBパウエル議長が、長引く深刻なコロナの影響脱却のため、長期の量的緩和方針の継続及び、2023年までゼロ金利の継続可能性を示すと、ドル売りの展開となり、一時ドル円は102.88まで下落した(今年3月前半以来、9か月ぶりの水準)。週末は目先の利益確定や、持ち高調整のドル買戻しがやや優勢となり、103.31でクローズ。なお、今週は米国議会が9,000億㌦の追加経済対策の協議合意可能性に言及したことから、経済回復期待からNYダウは過去最高値を更新。

 

先週のドル円相場

始値:104.08

安値:102.89

高値:104.15

先週末の終値:103.31

 

2020年のドル円相場

安値:101.18

高値:112.22

 

テクニカル分析

移動平均13週:104.51

移動平均26週:105.38

移動平均52週:106.88

RSI14週:37.62

※Relative Strength Indexは50が基準、70より上は買われすぎ、30より下は売られすぎ

 

今後の重要な政治スケジュール

22日   :米国7~9月期実質GDP発表

23日   :米国商務省 11月個人消費支出(PCE)発表

:日銀、10/28~29の金融政策決定会合議事要旨発表

28日   :日銀、12/17~18の金融政策決定会合の「主な意見」発表

 

来週の相場に向けて

先週のドル円相場は、米国の新型コロナの影響が引き続き深刻であり、FRBによる量的緩和長期化の観測が示されたことで、ドルが対主軸通貨で売られる流れが続き、ドル円相場は、一時102.88と今年3月前半以来、9か月ぶりの水準まで下落しました。テクニカルでみれば、週足は引き続き強い売りシグナルを示しており、ファンダメンタルズ条件(米国の量的質的緩和の長期化)、テクニカル分析ともに、ドル円の地合いの弱さを確認することができます。来週はクリスマス休暇入りで市場流動性が著しく乏しくなるため、想定外事項の発生による急激な動きに警戒が必要であるものの、基本的には緩やかにドル安円高の方向に推移すると予想しています。

 

メール配信設定

新規配信アドレスの追加    配信停止

 

ご留意事項

本メールマガジンに掲載されているあらゆる内容の無断転載・複製を禁じます。また本メールマガジンは単に情報提供を目的に作成されており、その正確性を弊社及び情報提供元が保証するものではなく、また掲載された内容は経済情勢等の変化により変更されることがあります。掲載情報は利用者の責任と判断でご利用頂き、また個別の案件につきましては法律・会計・税務等の各面の専門家にご相談くださるようお願い致します。万一、利用者が当情報の利用に関して損害を被った場合、弊社及び情報提供元はその原因の如何を問わず賠償の責を負いません。

 

戸田 裕大

若竹コンサルティング 創業者