ワクチン期待も続かず ドル円はじり安の展開 2020/11/22

先週の主な出来事
15日:日中韓、ASEAN諸国、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国は、東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に署名。世界級の自由貿易協定(FTA)となる見込み。(参加国の景気の上振れ要因)

16日:米製薬の新興企業モデルナは、新型コロナウイルスのワクチンの最終治験で94.5%の有効性が初期データから得られたと発表。(コロナの悪影響の緩和期待)

19日:米ジョンズ・ホプキンス大によると米国の新規感染者数は18万7833人となり過去最多を更新。死者数も2015人と増加し、各州は行動制限を強めており、経済回復の足かせとなる可能性。(米国景気の下振れ要因)

ムニューシン米財務長官は19日、米連邦準備理事会(FRB)に対して、新型コロナウイルス対策で実施する緊急支援制度の一部を2020年12月末で終了すると通知。FRBは米経済がなお脆弱だとして制度の延長を求めており、対立が表面化。(米国景気の下振れ要因)

20日:製薬大手ファイザーは20日、最終分析で予防効果が95%に達した新型コロナウイルスのワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請した。承認されれば12月中下旬にも実用化される見通し。年内に2500万人分に相当する最大5000万本のワクチンを生産し、21年末までに13億本に増やす計画。(コロナの悪影響の緩和期待)

米大統領選で南部ジョージア州は20日、民主党のバイデン前副大統領の勝利を公式に認定したと発表。

 

先週の相場動向

ドル円相場は、週明け104.68からスタート。週初に、ファイザーに引き続き、モデルナが新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験で高い有効性が示されたと発表すると、ワクチンの早期普及による米経済の正常化期待が高まり、ドル円は一時105.13まで上昇。しかし、その後はワクチンに関する過度な期待感の後退もあり、徐々にドルが売られる展開となった。米国のコロナの新規感染者数の増加が止まらない状況下、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「コロナ感染が速いペースで広がっており、ここ数カ月は非常に厳しい状況になる」と述べたことも意識され、その後もドル売り・円買いが継続、ドル円は一時103.65まで下落した。週末には、持ち高調整のドル買い・円売りが徐々に優勢となり、103.86でクローズ。

 

先週のドル円相場

始値:104.68

安値:103.65

高値:105.13

先週末の終値:103.86

 

2020年のドル円相場

安値:101.18

高値:112.22

 

テクニカル分析

移動平均13週: 105.02

移動平均26週: 105.99

移動平均52週: 107.29

RSI14週:39.76

※Relative Strength Indexは50が基準、70より上は買われすぎ、30より下は売られすぎ

今後の重要な政治スケジュール

20~22日:G20財務相会合、首脳会合

24~25日:王毅氏来日、菅首相とも面会調整

26日:米感謝祭

 

来週の相場に向けて

先週のドル円相場は、ファイザーに引き続き、モデルナのワクチン有効性の発表もあり、一時105.13まで上昇しましたが、ドル円の13週移動平均と同水準までの回復にとどまり、その後はずるずると反落しました。ワクチンに関する報道とは反対に、新型コロナ感染者が増加する米国では、地方政府や自治体が行動制限を強化するなど、米景気の下振れ要因が意識され、引き続きドル売りが優勢な状況です。ドル円の大きな下落は想定していませんが、短期的にはドル円の下押しが続く想定でいます。なお、今週26日は米国の感謝祭の祝日で市場参加者の減少が見込まれ、続く27日は週末となるため、週後半は小動きが予想されます。

戸田 裕大

若竹コンサルティング 創業者