ドル円はコロナワクチン開発期待で上昇するも徐々に反落 2020/11/15

先週の主な出来事

9日:米国ファイザー社とドイツのビヨンテック社の共同開発ワクチンが、臨床試験参加者の9割以上の感染を予防したことを発表。米国食品医薬品局への緊急承認申請は、早ければ11月第三週となる見込み。(米株高要因)

10日:菅首相が閣議で、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ経済を下支えするため、追加経済対策の取りまとめと、裏付けとなる2020年度第3次補正予算案の編成を全閣僚に指示。(日本株高要因)

11日:米大統領選で勝敗が判明していない南部ジョージア州の当局が、約500万の全ての票を手作業で再集計すると発表。米国連邦議会選挙は、アラスカ州で現職の共和党候補が勝利する見通し。上院で共和党は50議席、民主党は48議席を固め、残る2議席は南部ジョージア州で行われる決選投票で決着。(米議会ねじれ、リスク要因)

12日:トランプ米政権が、中国人民解放軍と関係が深い中国企業31社について、米国投資家による株式などの購入を禁止すると発表。また同政権が、中国発の動画投稿アプリ「TikTok」に対する連邦地裁の事実上の利用禁止措置を差し止めた判断を不服だとして、上訴。(米中対立激化、リスク要因)

13日:複数の米メディアは13日、全50州と首都ワシントンの勝者が決まったと報道。バイデン氏が獲得したのは306人、トランプ氏は232人となった。

13日:欧米で新型コロナ感染拡大に歯止めがかからず、死者数が急増。米国では入院患者数が過去最多となり、病床確保など医療体制も課題に。米国では一日の新規感染者数が14万人超。(欧米景気の下振れ要因)

 

先週の相場動向

ドル円相場は、週明け103.35からスタート。9日に米製薬会社のファイザーが、独ビオンテックと共同開発するワクチンの臨床試験で高い有効性が出たと発表、11月中に米当局に緊急使用許可を申請する見通しとなったことを受け、景気回復の勢いが増すとの観測が広がり、米株式市場が急伸、連れてドル高となり、ドル円は105円台に戻した。ドル円はその後12日まで底堅い相場展開となり一時105.68まで上昇したが、米国の1日あたりの新型コロナ感染者数が2日連続で14万人を超え過去最高を記録したこと、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が米経済の厳しい先行き見通しを示したことなどから、コロナワクチンに端を発した楽観ムードは早くも後退し、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めると、米債が買われ、米長期金利が低下、日米金利差の縮小を受けてドル売り円買いの流れとなると、ドル円は104.57まで下落した。その後、戻りは鈍く、104.63でクローズ。

 

先週のドル円相場

始値:103.35

安値:103.19

高値:105.68

先週末の終値:104.63

 

2020年のドル円相場

安値:101.18

高値:112.22

 

テクニカル分析

移動平均13週:105.17

移動平均26週:106.14

移動平均52週:107.38

RSI14週:43.01

※Relative Strength Indexは50が基準、70より上は買われすぎ、30より下は売られすぎ

今後の重要な政治スケジュール

11月下旬:王毅(ワン・イー)外相が来日し、茂木敏充外相と会談

16日~17日:APEC閣僚、首脳会合

20日~22日:G20財務相会合、首脳会合

 

来週の相場に向けて

先週のドル円相場はコロナワクチン開発の報をうけて一時105.68まで上昇しましたが、結果的にはドル円の13週移動平均と26週移動平均線の間までの回復にとどまり、その後は104円台半ばへ反落しました。米中対立の激化、米議会のねじれなど、米国経済の先行きに不透明感が残る状況では、引き続きドル売りが優勢となりそうです。ドル円の大きな下落は想定していませんが、じりじりと、緩やかに下落していく相場が続いていくと考えています。そのため、ドル円が一時的に上昇したタイミングで、ヘッジを実施していくと、効果が高いと考えます。

戸田 裕大

若竹コンサルティング 創業者