バイデン新大統領+ねじれ議会が意識されドル安が進行 2020/11/08

先週の主な出来事

5日:米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で、ゼロ金利政策と量的緩和政策の維持を決めた。FOMCの声明文には、ゼロ金利を解除する条件として(1)完全雇用まで労働市場が回復する(2)物価上昇率が2%に達する(3)一時的に物価上昇率が2%を緩やかに上回る経路に到達する――の3つを明示

6日:菅義偉首相は参院予算委員会で、円高・ドル安への備えを問われ「通貨当局と連絡を取り適切に対応したい」と述べた。「為替の水準や方向性に言及するのは控える。ただ、為替の安定は極めて重要だ」と語った。公明党の西田実仁参院会長の質問に答えた。

7日:米大統領選は、民主党のジョー・バイデン前副大統領(77)が勝利宣言した。

8日:菅義偉首相は、自身のツイッターに日本語と英語で「ジョー・バイデン氏および(副大統領候補の)カマラ・ハリス氏に心よりお祝いする」と投稿した。「日米同盟をさらに強固なものとするため、インド太平洋地域および世界の平和、自由および繁栄を確保するために、ともに取り組んでいくことを楽しみにしている」とも書き込んだ。

 

先週の相場動向

ドル円相場は、週明け104.57からスタート。米大統領選の開票が行われる東京4日午前までは小動きの展開。開票が行われると、序盤はトランプ氏がリードを広げる中で、外為市場はドル買いで反応、意識された105円を上抜け105.37まで上昇した。ところが郵便投票の締めや開票の開始が遅い中西部スイング・ステーツでバイデン氏が差を縮めはじめると、為替はもとの104円半ばまで押し戻された。その後、徐々にバイデン氏が優勢に転じていく中、上院は引き続き共和党が優勢とあって、議会のねじれが意識される展開となる。バイデン氏の大胆な財政政策も、簡単には通らない見込みとなり、米国の将来の経済成長に不安が残る中、経済成長との関連性が強い、米10年債の利回りが0.94%から0.72%へと低下。日米金利差の縮小を受けて、ドル円は下落、104円を割り込むと、103.18まで下落し、103.36でクローズした。

 

先週のドル円相場

安値:103.18

高値:105.35

先週末の終値:103.36

 

2020年のドル円相場

安値:101.18

高値:111.72

 

テクニカル分析

移動平均13週:105.33

移動平均26週:106.24

移動平均52週:107.46

RSI14週:34.81

※Relative Strength Indexは50が基準、70より上は買われすぎ、30より下は売られすぎ

 

今後の重要な政治スケジュール

11月予定:王毅(ワン・イー)外相が11月に来日し、茂木敏充外相と会談

11月11日:中国独身の日

 

来週の相場に向けて

短期的にはドル売り円高圧力が強い相場。一方で、菅首相が円高ドル安への発言を行うなど、政府はドル円相場を注視している。100円前後は過去に円売りドル買いの為替介入が行われたこともあるため、この辺りが一旦の底になる可能性は十分にある。またテクニカル的には売られすぎの水準に近づいている。下値が限定的になることも想定されるため、過度に円高リスクを意識しすぎると、かえって良くない結果になると考えている。

戸田 裕大

若竹コンサルティング 創業者