ドル円は米第3四半期GDPの発表を受け反発 2020/11/01

先週の主な出来事

26日:中国外務省は、ABCなど米メディア6社に対し、中国に駐在する人員や財務情報の届け出を求めたと発表した。米国が中国メディアに同様の届け出を義務付けたことへの対抗措置としている。米中ともに政治的に敏感な時期を迎えており、応酬が激しさを増す。

26日:菅義偉首相は所信表明演説で「自由で開かれたインド太平洋の実現を目指す」と述べた。日米主導の「インド太平洋」構想に関し「構想」という表現を使わなかった。安倍政権の基本路線は継承しつつも、中国包囲網という印象を和らげ、米中のバランスを重視する狙いがある。

28日:黒田日銀総裁は「経済は引き続き厳しい状態にあるが、持ち直している。経済は改善基調をたどるとみられるが、そのペースは緩やかなものにとどまる。不確実性が高く、下振れリスクが大きい」などと語った。また日銀金融政策決定会合において、短期金利をマイナス0.1%、長期金利の指標になる10年物国債の利回りをゼロ%程度に誘導する長短金利操作の維持を賛成多数で決めた。新型コロナ対応で3月以降に新設・拡充した企業の資金繰り支援策や年12兆円が上限の上場投資信託(ETF)の買い入れ措置も続ける。

28日:フランスのマクロン大統領は28日、少なくとも30日から12月1日まで全土で外出を制限すると発表した。ドイツのメルケル首相も同日、11月2日から飲食店や娯楽施設などの営業を禁止すると発表した。

29日:中国共産党は、重要会議、第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で、2021~25年の「第14次5カ年計画」の骨格などを固めた。35年に「1人当たり国内総生産(GDP)を中等先進国並みにする」との目標を掲げた。対米摩擦の長期化に備え、消費など内需を拡大し自力での安定成長をめざすが、道のりは険しい。

29日:欧州中央銀行(ECB)は政策理事会で金融緩和政策の維持を決めた。ラガルド総裁は記者会見で「景気回復の勢いは想定以上の速さで失われている」と語り、12月の次回会合での追加緩和を強く示唆した。新型コロナウイルス感染拡大への対応で各国が経済制限を再強化しており、ECBは景気の二番底へ警戒を強めていた。

29日:米商務省が発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、前期比年率換算で33.1%増加した。新型コロナウイルス禍で30%超のマイナス成長となった前期から持ち直したが、コロナ危機前に比べ3.5%小さい水準にとどまる。

30日:米国株式市場で投資家がリスク回避姿勢を強めている。ダウ工業株30種平均は反落し、10月の月間下落率は5%になった。米国で新型コロナウイルスの感染が広がり、月間で14%下げた3月以来の大きさだ。市場では感染の再拡大による経済活動停滞や米大統領選後の混乱が警戒されている。

31日:英政府は首都ロンドンのあるイングランドで約1カ月間の限定的なロックダウンを実施すると発表した。オーストリアやポルトガルも同日、制限の強化を表明した。欧州経済は失速が避けられない情勢だ。

 

先週の相場動向

ドル円相場は、週明け104.75からスタート。特段材料ない中で、105.06の高値までじりじりと上昇したが、その後は下値を探る展開が続いた。29日には104.03まで下落し、104円割れが意識されたが、直後に発表された米第3四半期のGDPが過去最悪の前期比対比で大幅に反発したこともあり、この水準ではドル買いが優勢。その後はドルが上昇していく中、ドル円もじりじりと値を戻して、104.67でクローズ。結局、終値ベースでは先週末とほぼ同水準となった。

 

先週のドル円相場

安値:104.03

高値:105.06

先週末の終値:104.67

 

2020年のドル円相場

安値:101.18

高値:111.72

 

テクニカル分析

移動平均13週:105.52

移動平均26週:106.36

移動平均52週:107.57

RSI14週:40.24

全体的にやや売られすぎの水準

 

今後の重要な政治スケジュール

11月予定:王毅(ワン・イー)外相が11月に来日し、茂木敏充外相と会談

11月3日:米大統領選(任期は4年間)

11月4日:FOMC

11月5日:アント・グループ香港上場

戸田 裕大

若竹コンサルティング 創業者